08年北京オリンピック(五輪)柔道男子100キロ超級金メダリストで総合格闘家の石井慧(31)が柔術のNO-Gi(柔術着なし)世界選手権(12月14日開幕、米アナハイム)に出場することが22日までに決まった。ウルトラヘビー級でエントリー。「優勝しか考えていない」と、柔術でも世界一になる意欲を示した。同級で優勝候補に挙げられるゴードン・ライアン(米国)との対戦を望み「とにかくライアンとやってみたい」と口調を強めた。

今回のエントリーは、周囲からの大きなサポートで実現した。日本柔術界をけん引しているパラエストラ東京の中井祐樹代表をはじめ、日本ブラジリアン柔術連盟(JBJJF)、石井が初めてブラジリアン柔術を学んだアクシス柔術アカデミーの渡辺孝真代表、継続参戦するQUINTET(IQレスラー桜庭和志主宰の組み技大会)関係者の全面協力を得たという。石井は「黒帯をいただき、エントリーまでしていただきました。ありがとうございました」と感謝の気持ちを口にした。

これで3週連続の大会出場となる。まず12月1日にセルビアで開かれる総合格闘技ルールでSBC19大会に参戦し、べテランのトニー・ロペス(44=米国)とのSBCヘビー級王座決定戦に臨む。翌週の12月9日には打撃のない組み技(グラップリング)の英興行ポラリスに初参戦。ポラリス8大会(ウェールズ)で、ダン・ストラウス(27=英国)と無差別級スーパーファイトでの対戦を控える。

まずはセルビアで海外王座の初奪取を狙う石井は「ベルトには興味がない。ただ金網での試合で相手は気をつけた方がいいだろう。ボクはこの3週間で1人でも多くの人に元気と勇気を与えたい」と海外での“冬の陣”に備えて気合を入れ直していた。

以下は石井との一問一答。

-NO-Gi柔術世界選手権のエントリーが完了した

石井 最初に自分でエントリーしたのですができませんでした。そこでQUINTETの方々、ならびに中井先生、JBJJFの方々、アクシスの渡辺先生の助けで黒帯をいただき、エントリーまでしていただきました。本当に携わってくださったみなさま、ありがとうございます。感謝を述べたいと思います。

-大会での目標は

石井 優勝しか考えていないですが、とにかくゴードン・ライアンとやってみたいです。ウニヒピリ(内なる自分)がそうさせているに違いないです。しかしいろいろな強い選手とやれる楽しみも強いですし。私は世界一の幸せものです。ウニヒピリ。

-3週連続の大会出場

石井 ここもウニヒピリが重要になってきます。人に感謝し、人の痛みを知り、人のためにする行動こそが力になるでしょう。ボクはこの3週間で1人でも多くの人に元気と勇気を与えたいです。みんなのために戦う。そう、勇気りんりんアンパンマンです。

-まずSBC王座を狙う

石井 正直、ベルトには興味がない。ただ金網の試合では相手は気をつけた方がいいだろう…金網を背負った途端に絶望が訪れる。彼を絶望がノックする…。