ボクシング全日本アンダージュニア(UJ、日本連盟主催)女子56キロ級王者の山崎亜姫(14=岩見沢クラブ)が、真の日本一に挑む。中学生世代の王者を決める第1回キッズボクシング統一王座決定戦(26日開幕、東京・墨田区総合体育館)に出場する。日本連盟と日本プロ協会が24、28年五輪世代の選手強化のため初開催する大会で、北海道勢唯一の日本連盟代表がリングに立つ。

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世代最強を決める師走の決戦。全日本UJ2連覇中の山崎は統一王者への気持ちを隠さない。「すごい楽しみ、絶対負けたくない。判定は嫌です。RSC(レフェリーストップ・コンテスト)勝ちをしたい」。対戦相手の情報は少ないが、磨いてきた技術、培ってきた経験を拳に込める。

今大会は日本連盟が日本プロ協会と初めてタッグを組む歴史的一戦。プロ・アマの垣根を越え、将来のオリンピアン育成を目的にする。58キロ級の山崎はジュニアチャンピオンリーグ全国大会(日本プロ協会主催)覇者の河合里衣と対戦する。159センチの山崎は「相手は体格が大きいみたい。攻撃をよけて、よけて左フックを決めたい」と、持ち味を発揮して勝機を見出すつもりだ。

競技との出会いは岩見沢中央小5年のとき、母亜沙美さん(36)に「フィットネス」として勧められたのが始まり。当初は“中学デビュー”のためのダイエット感覚だったが、国体、全日本社会人選手権で優勝経験のある安川浩樹コーチ(44)の指導で魅力を知った。開始1年で出場した全国大会で敗れ「今まで練習してきたけどこの練習じゃダメだと本気になった」。根っからの負けず嫌いな性格に火がついた。

11月には道連盟代表としてサハリン(ロシア)の大会にも出場。外国選手を果敢に攻め、RSC勝利を挙げた。安川コーチは「まだまだ」と前置きした上で「パンチのスピードはある。練習もマジメにするし、物怖じしない」と才能を評価。今大会後には受験が控え、より環境が整うボクシング部のある道外の高校に進む。「五輪で金メダルを取って体育の教科書に載りたい」。夢見る14歳は、世代日本一の称号を、28年ロサンゼルス五輪への第1歩とする。【浅水友輝】

◆山崎亜姫(やまざき・あき)2005年(平17)1月20日、岩見沢市生まれ。岩見沢中央小5年で競技を始め、全日本アンダージュニア大会では岩見沢光陵中1年時に52キロ級、2年時に56キロ級で優勝。右インファイター。北海道観光大使やモデルを務める母亜沙美さん、三毛猫の「小雪」と暮らす。趣味の音楽は聴くのも歌うのも好き。音楽グループ「レペゼン地球」のファン。159センチ。