WBC世界ライトフライ級1位矢吹正道(29=緑)が14日、同級王者寺地拳四朗(29=BMB)とのタイトルマッチ(22日、京都市体育館)を前にオンラインで会見を行い、練習を公開した。

寺地の新型コロナ罹患(りかん)で、試合は当初の10日から12日延びた。矢吹は自分が試合前に腰痛発症、39度近い発熱をした経験があることから「問題は体調面でなくメンタルと思うけど、拳四朗はメンタル最強と思ってるんで」。持ち前のハードパンチで王者の心をへし折ってのベルト奪取を狙う。

自分の仕上がりには手応えを感じている。試合延期により、不足気味だったスパーリングを約20ラウンド追加、合計約180ラウンドを消化できた。相手には同じ名古屋に拠点を置く元世界3階級王者田中恒成もいた。「恒成は(拳四朗と)タイプが違うけど、世界レベルを肌で感じられた」。年下の田中から「世界王者になって下さい。なったら、ご飯をおごらせて下さい」と激励も受けた。

所属の緑ジムは過去、WBAスーパーフライ級、同バンタム級王者戸高秀樹、同スーパーフライ級飯田覚士と2人の世界王者を輩出した。松尾敏郎会長は「飯田は3度目、戸高は2度目の挑戦で世界を取ったけど、矢吹は2人より数段上。パワーがすごい」と一発奪取を熱望。「延期になってこんなに早く(当初予定から12日後に)できるなんて、プロモーターに感謝したい。矢吹の仕上がりは今までで1番。勝って(拳四朗陣営に)“ベストのコンディションでまたやりましょう”と言わせたい」と話す。

矢吹は減量も順調と言い、リミットの49キロまで残り約4キロに迫った。「試合が延びて、勝つ自信は深まりました」という挑戦者は、勝利を確信してリングに上がる。