全日本プロレス所属のゼウス(39)が18日、都内で会見を開き、以前に所属していた大阪プロレスを買収し、来年1月から経営することを発表した。

7月末に代表取締役に就任。8月末に株式譲渡を終え、オーナーとなった。ゼウスは14年に大阪プロレスの全選手がフリー契約となった時から「いずれは大阪プロレスをやろうと思っていた」と考えていたという。「苦しかった時期を知っているし、ずっと大阪プロレスへの愛、再生への思いがあった」と胸の内を明かした。ゼウスの思いに全日本側も全面的にバックアップしていく意向で、今後も交流をつづけていくという。

ゼウスは06年に大阪プロレスに入団、その後にボクシングへ転向も、10年に復帰し、15年から全日本に入団した。18年には5度目の挑戦で悲願の3冠ヘビー級王者初戴冠。世界タッグ、アジアタッグをはじめ、昨年はチャンピオンカーニバルも初優勝を果たすなど、さまざまなタイトルを手にしてきた。「全力で動ける時期は30代いっぱいいっぱいと思っていた」。今春、全日本に相談し、40歳を迎える22年から新たな挑戦への思いを打ち明けた。

今後は社長としてスポンサー獲得に奔走しながら、リングにも上がり続ける。「半分休むとか中途半端なことはしたくない。それなら引退する。体が動ける限りはリングでパフォーマンスを披露する」。年内は契約のある全日本のリングに上がり、その後は来年4月の旗揚げを目指して活動を行っていく。

「子どもたちに夢を与え、家族が仲良く楽しめるエンターテインメントを提供したい。必ず日本一の団体を作り上げます」。大きな夢をかなえたゼウスが、不惑の年に新たな人生をスタートさせる。【松熊洋介】