元PRIDEヘビー級王者エメリヤーエンコ・ヒョードル(45=ロシア)が106秒殺で約2年ぶりのファイトを飾った。ベラトール同級2位ティム・ジョンソン(36=米国)と5分3回で対戦。距離を保ちながらケージ際に下がり、左フックからの右フック強打で沈め、1回1分46秒、KO勝ち。19年12月、さいたまスーパーアリーナで開催されたベラトール日本大会でクイントン“ランペイジ”ジャクソン(米国)に1回TKO勝ちして以来、約1年10カ月ぶりの試合だった。

母国での試合は16年6月ファビオ・マナドナド(ブラジル)戦以来、約5年4カ月ぶりとなる。日本での試合に続き、ロシアでも「引退ツアー」と題された1戦だった。ヒョードルは「ロシアの観客を幸せにしたという事実に満足している。自分のキャリアとベラトールをフォローしているファンに喜びを届けられた」と満足顔。現役続行については「それは明日、答えます」と再び笑顔をみせた。

今年1月、新型コロナウイルス陽性判定となったものの、専門病院で集中治療して完治。病魔も克服した上での快勝劇でもある。家族と将来について話す必要があるとの考えを示した上で「米国で試合するのは簡単だ。私は大きな注目を集めていない。私自身は集中することができるし、イベントも厳密に計画される。しかし自宅(ロシア)では、すべての練習と調整がメディアやジャーナリストの監督下になってしまう」と次戦は米国で試合することを希望した。

ベラトールのスコット・コーカー代表は「我々はもう1試合のヒョードルの試合を予定している。彼に勝利を喜んでもらいたい。多分、1カ月以内に彼と再び会う。次のイベントは来年初めか来春に予定している。その時、再びヒョードルが戦うところをみるでしょう」と予告していた。