「プロボクシングの発展を応援する国会議員の会」の設立総会が7日、東京・永田町の自民党本部で行われた。会長に加藤勝信厚労相が就任し、名誉顧問に菅義偉前首相、幹事長に長島昭久氏、事務局長に井上信治氏、副幹事長に三原じゅん子氏ら自民党の議員が名を連ねた。

近年、プロボクサーが減少傾向にあり、ジムの経営も厳しさを増す中、国民の健康増進や青少年の健全育成に寄与する全国のボクシングジムの地域における機能に着目して、ボクシング界と国会議員が連携して、プロボクシングの振興と発展に努めるのが設立の主な目的。

加藤会長は「小さい頃はファイティング原田さんをテレビで見ていた。60%を超える視聴率で日本中がくぎ付けになって、夢を共有できた。最近は地上波で見る機会が少なくなり、ボクシングをされる方も少なくなって、ジムも経営も大変厳しくなっている。12月には井上尚弥選手の4団体統一戦もある。まさにこの時期に会を立ち上げて、選手の皆さんを応援して、ジムを支えて、思いを共有していきたい」と語った。

世界バンタム級世界3団体統一王者の井上尚弥は、12月13日にWBO王者のポール・バトラー(英国)との4団体王座統一戦(東京・有明アリーナ)を予定している。所属する大橋ジムの大橋秀行会長は「井上の4団体統一はほぼ間違いないと思っています。あとは油断することなく、コンディションを整えるだけ。技術面はまったく心配していません。来年はおそらく階級を上げて戦うと思います。上の階級は強い選手ばかりで、またビッグマッチになるので期待してください」と話し、集まった国会議員から拍手が起きた。

具体的な支援の体制や内容などについては、これから検討していく予定。日本プロボクシング協会の小林昭司会長は「ボクシング界全体で底上げしていかなければならない。青少年の育成をしながら、セカンドキャリアの問題も考えていきたい。ご指導とご支援をお願いします」と訴えた。

1日に京口紘人との日本人世界王者同士の統一戦を制したWBC、WBA世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗(30=BMB)も、現役選手として唯1人出席。「次にまた大きな試合ができればと思っている。そこで見に来てくださった方が感動できるような試合をしたいと思っているので、ぜひこれからもよろしくお願いします」と、国会議員のサポートに期待していた。【首藤正徳】