ボクシングの元2階級制覇王者で「亀田3兄弟」の三男、WBA世界スーパーバンタム級2位の亀田和毅(31=TMK)が23日、大阪市内の所属ジムで練習を公開した。

バンタム級の世界主要4団体を統一した「モンスター」井上尚弥と20年10月に対戦しているWBC、WBOバンタム級1位のジェーソン・モロニー(32=オーストラリア)をスパーリングパートナーに招き、この日は6ラウンドを行った。

和毅はジム移籍初戦で2月25日に大阪市のATCホールでWBA同級13位のルイス・カスティージョ(26=メキシコ)と契約56・0キロの10回戦が決まっている。世界前哨戦に位置づけた試合で「(モロニーは)世界トップの選手を相手に自分の実力を上げるために呼んでもらった。世界を知っているだけに緊張感のある練習ができる」と実感した効果を明かした。

最大のターゲットは同じ階級に上げてきた井上尚弥との対戦だが、その実現に向けてベルトを狙う。WBA同級王座の次期挑戦権を得ている。同スーパー、IBF王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)が指名試合を義務づけられているIBF1位マーロン・タバレス(フィリピン)との一戦の勝者への挑戦が最も現実的となる。

金平桂一郎会長(57)は「まずWBAのタイトルを狙う。国内での試合に向けて最善を尽くす」と明言。和毅は「今年中にチャンピオンになりたいが(交渉は)会長に任せて、自分は自分の道を行く。(2月25日の)試合に向けて集中してトレーニングするだけ」と静かに闘志を燃やした。

井上に7回KO負けだったモロニーは「2人もハイレベルのファイター。対戦してどちらが勝つかは言えないが、興味深い戦いになる」と話した。【実藤健一】