無敗の人気格闘家からプロボクサーに転向した那須川天心(24=帝拳)が、同門の先輩で引退発表した元WBA世界ミドル級スーパー王者村田諒太(37)から「ジムの看板」を受け継ぐ姿勢を示した。

28日、都内のホテルで開催された村田の現役引退会見の最後に登場し、花束を贈呈した。

那須川は「ジムも一緒なので。今、帝拳ジムにはチャンピオンという人がいなくなった。僕が受け渡されたではないですが、そんな気持ちです」と決意を口にした。

ボクシング転向前、出げいこで帝拳ジムで練習していた際も、ステップワークなどボクシング技術に関して会話していたという。「ワンポイントアドバイスとかしてもらい、すごく芯を食うような内容でした」と振り返る。村田の試合は、13年8月のプロデビュー戦をはじめ、17年5月のWBA世界ミドル級王座決定戦となったアッサン・エンダムとの第1戦、ラストマッチとなった「ミドル級最強」ゲンナジー・ゴロフキンとのWBAスーパー、IBF世界同級王座統一戦も会場で見守っていた。

那須川は「村田さんの試合はボクシングに興味ない人でも見ていた選手。そういう選手が辞めるのは悲しい部分がある。自分の中で、そういう存在以上の人にならないといけないと思いました」とキッパリ。入れ替わるように、自身は4月8日、東京・有明アリーナで日本バンタム級4位の与那覇勇気(32=真正)とのプロデビュー戦(スーパーバンタム級6回戦)を控えており「気負うつもりもない。やるだけという感じ。プレッシャーはゼロです」と自信を示していた。