日本ライト級1位仲里周磨(26=オキナワ)が同級王座を獲得した。3度目防衛戦だった同級王者宇津木秀(28=ワタナベ)に挑戦し、3回1分40秒、KO勝ちで新王者になった。2度目のタイトル挑戦で日本王座獲得に成功し「最高の景色。(宇津木は)強かった。2回にペースを握られてまずいと思った。プロデビューから8年目、2度目の日本王座で負けたらボクシングできないと思っていた。(右)カウンターが入ってほっとした」と感慨に浸った。

1回から接近戦を仕掛けて左フック、右ストレートでぐらつかせた。2回にも激しい顔面の打ち合いを展開し、続く3回だった。王者のワンツーで右目上をカットしたものの、強烈な右でダウンを奪取。「ミット打ちで何度もやっていたパンチ」という一撃で勝負を決めた。

所属ジム会長となる父繁氏(50)は元太平洋スーパーバンタム級王者で、03年4月26日に世界初挑戦。WBC世界スーパーバンタム級王者オスカー・ラリオス(メキシコ)に挑戦して判定負けし、04年にも再戦しながら判定で敗れるなど3度世界挑戦した強打者だった。父の世界初挑戦時に当時6歳だった仲里が20年の時を経て、同じ日に日本王座を獲得。繁会長は「俺は負けたけど、20年後に周磨が勝って本当にうれしい。しかも僕が取れなかった日本王座。4大タイトル戦で自分を見失うことなく戦ったことがベルトにつながった」と息子をたたえた。

沖縄県内のジムにベルトをもたらしたのも02年5月に繁会長が東洋太平洋スーパーバンタム級王座を獲得して以来、約21年ぶり。仲里は「沖縄で日本王座の防衛戦ができれば。友達もみんな呼びたい」とやる気満々。父の繁会長も「沖縄での防衛戦を考えたい」と前向きだった。

1924年4月26日、東京・日比谷野外音楽堂で日本初のボクシング王座戦が開催されてから100年目。沖縄の親子王者が「聖地」後楽園ホールの4大タイトル戦を締めくくった。