ボクシング興行「3150FIGHT」を手がける亀田興毅ファウンダー(37)が28日、トラブルが続いた興行開催に自信を示した。

名古屋での初開催となる「3150FIGHT vol.8」が31日に名古屋国際会議場で行われる。当初発表のカードから、「負けたら引退」で臨む覚悟を示していた亀田和毅の試合は、再戦相手ドラミニがIBFからの指名試合を優先する形で対戦相手変更を余儀なくされた。

さらに英プロモート大手マッチルーム社と共催予定だったミドル級トーナメントが中止。とどめにIBF世界ミニマム級世界王者・重岡銀次朗の2度目防衛戦の挑戦者が原因不明の体調不良で来日不可となった。不運続きにネットでも「大丈夫か」などの心配する声が相次いでいた。

最悪、興行中止の危機に追い詰められた興毅氏は、開催に向けて奔走した。メインだった和毅の試合をセミにして、abemaで同興行初めて予定していた有料配信を無料にした。

さらにミドル級トーナメントに参戦予定だった日本ミドル級王者・国本陸も改めて試合を組み直し、重岡銀の対戦相手もギリギリのタイミングでジェイク・アンパロを確保した。

亀田家では不幸が続くことを「おばあが憑いてる」という。「昔、おやじ(史郎氏)によう言われた。『おまえ、おばあがついとるぞ』って。おばあの上がキツネ。キツネはなかなかとれないんよ。でも何とか、追い払えた。いろんなことがあったから、逆に(興行は)うまくいくと信じてるよ。必ず成功する」。

初開催の名古屋でも注目度は高く、早々に観戦チケットは完売した。その期待に応えるべく、興毅氏が走り回った結果。「とにかく選手ファーストやからね。そこはぶれない。選手は思いきり暴れてほしい。俺は疲れた」。“雨降って地固まる”のことわざか。興毅氏がプロモーターとして大変な、貴重な体験をした興行が幕を開ける。【実藤健一】