WBO世界ライトフライ級王者岩田翔吉(26=帝拳)が王座陥落した。同級2位で元暫定王者のレネ・サンティアゴ(32=プエルトリコ)の挑戦を受け、12回を戦い0-3で判定負け。昨年10月、早大出身ボクサー初の世界王者として注目を集めた岩田が「世界奪取よりも難しい」「鬼門」と言われる初防衛戦をクリアできなかった。

母校の後輩たちに勝利を届けられなかった。試合会場に立教小(東京・豊島区)の児童約130人を招待。今年1月、母校のオファーを受けて講演したことがきっかけだった。岩田は「自分がいた頃のお世話になった先生が残っていたし、試合も応援に来てくれていた。本当に自分みたいな出来の悪かった子がしゃべらせてもらっていいのかと。でも行って良かった。子どもたちの希望になれば」との思いを胸に向かった初防衛戦でベルトを手放す結果となった。

プエルトリコ勢にも連敗を喫した。22年11月、当時の王者ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)の老かいな動きに対応できずに判定負け。その後、5連続KO勝利し、念願の世界王座を獲得していた。「プエルトリコの選手なので燃える。リベンジしたい。今、相手を倒す幅が広がっている。世界王者の岩田翔吉としては初の試合なので、強えなと思われるような内容をみせたい」。真価の問われるリングでベルトを死守できなかった。

世界王者としての自信を誇りを持ってリングに立っていた。岩田は「子どもの頃の夢をクリアして、よりボクシング愛が芽生えてきた。世界王者になって、よりボクシングが楽しくなった。自分自身の進化を感じている」と明かす。元世界2階級制覇王者粟生隆寛トレーナーのもと、WBOアジア・パシフィック・バンタム級王者那須川天心(26=帝拳)ら同門メンバーと週1~2回の坂道ダッシュなどのフィジカル練習で自らの肉体面の進化にも手応えを示していた。

「チーム帝拳でかなり良い練習できている。すごく自分の背中を押してくれている」(岩田)。同じ95年度生まれ組の世界選手権金メダル坪井智也(28)も同門となり、刺激も多い環境となった。高揚感を胸に迎えた初防衛戦だったが。元暫定王者サンティアゴの壁は厚かった。

同じ階級のIBF王者には矢吹正道(32=LUSH緑)がいる。29日には名古屋で王座を保持したまま、1階級上となるIBF世界フライ級王者アンヘル・アヤラ(メキシコ)に挑戦する。矢吹の勝敗次第だったが、日本人世界王者同士の統一戦の可能性も残っていただけに、王座陥落は悔しいところだ。岩田は「他団体に日本人の世界王者がいて『やったら面白い』と言われるのは幸せなこと。まだやる可能性がなくなったわけではない」と前向きにとられ、サンティアゴ戦に集中していたが、一気に遠のいてしまった。