プロボクシング前WBC世界ミニマム級王者で同級1位の重岡優大(27=ワタナベ)が“苦手克服”のリベンジを成功させ、約1年ぶりの王座返り咲きを狙う。30日、愛知県国際展示場で、同級王者メルビン・ジェルサレム(31=フィリピン)に挑戦する。19日には東京・五反田の所属ジムで練習を公開。シャドーボクシング、サンドバッグ打ちなどを披露し、順調な調整ぶりをうかがわせた。

昨年3月31日、名古屋国際会議場での2度目防衛戦だった。ジェルサレムに計2度のダウンを許して1-2の判定負けし、王座から陥落した。約1年後のリマッチはリベンジの舞台となり「この1年間で、まったく同じなわけがないところをみせないといけない。レベルアップしたところ、自分の中で課題として取り組んできたことを見て分かってもらえるようなボクシングをすることで勝てると思う。絶対に勝つ」と静かに燃える胸中を口にした。

プロでは初の再戦だが、アマチュア時代には多くの再戦を経験。大学リーグ時代、21年世界選手権金メダルの坪井智也(帝拳)や元東洋太平洋フライ級王者桑原拓(大橋)らに再戦でも敗れているという。重岡は「苦手というか、結果的にそうなっている。リベンジマッチがどれだけ難しいものかを僕もアマチュアを100戦ぐらいやって身に染みている。そこは腹をくくっているし、気合も入っている。これを乗り越えてさらに一皮向けるかなというのは、自分で分かっている。ここは自分にとって大きな壁というか、クリアしなくてはいけないこと」と言葉に力を込めた。

2月上旬にはフィリピンに単身合宿し、同中旬からは元IBF世界同級王者の弟銀次朗(25ーワタナベ)が1年前に対戦したIBF同級5位ジェイク・アンパロ(フィリピン)をスパーリング相手に呼び、3月上旬からは自身が昨年8月に対戦したサミュエル・サルバ(フィリピン)も練習パートナーとして来日。重岡は「昨日もスパーリングした。同じ階級で世界トップでやっている選手たち。スパーリングしていても、こいつらとよく試合していたな、というような強さを感じた。対人で仕上げるのが自分の感覚に合っている」と手応え。練習パートナー2人合わせて計60ラウンド以上のスパーリングをこなしているという。

約1年前、ジェルサレムの右ストレートを浴びてダウンを喫して負けた悔しさは、もちろん重岡の胸に重く残っている。「ボクシング人生で1番悔しかったのはあの試合」と言い切る重岡は「怖さはない。楽しみの方が多いと思う。この1年何をして、どんな気持ちでやってきたかとリングに上がってみせるボクシングをする。1秒も見逃せない試合をする」と気合を入れ直しながら、約2週間後のリベンジ舞台を思い描いていた。【藤中栄二】