<プロボクシング:WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦>◇6日◇東京・大田区総合体育館

 同級4位の井上尚弥(20=大橋)が日本選手最速となるプロ6戦目での世界王座獲得に成功した。5度目の防衛を狙った同級王者アドリアン・エルナンデス(28=メキシコ)を6回2分54秒TKOで破り、井岡一翔の持つ国内記録(7戦目)を更新した。

 井上は1、2回と強烈な左ボディーを打ち込むと、接近戦が得意なエルナンデスは完全に腰が引けた。6回、最後の力を振り絞り前に出てきた王者にカウンターの右を合わせると、最後は打ち下ろすような右ストレートでダウンを奪取。エルナンデスが戦意を喪失し、勝利した。両手を高々と突き上げると、父真吾さん、大橋会長と歓喜の抱擁を交わした。

 「プロに入って初めての打ち合い、すごく楽しかったです。小さい頃からの夢を絶対かなえると思って戦いました」と勝利の喜びを爆発させた。

 ◆井上尚弥(いのうえ・なおや)1993年(平5)4月10日生まれ、神奈川県座間市出身。6歳から元アマ選手の父真吾さんの指導を受け、相模原青陵高校では1年時に総体、国体、選抜で優勝するなど高校生史上初のアマ7冠。12年7月に真吾さんとともに大橋ジムと契約。入場曲は家族でのドライブ時によく聞いていたワム!の「フリーダム」。家族は両親、姉、弟。身長162センチの右ボクサーファイター。