全日本に史上初めて中国人選手が練習生として入門したことが9日、分かった。中国・上海市出身の曹駿(18=ツァオ・ジュン)で、1日に神奈川県内の全日本道場に入寮し、この日、初めて全体練習に参加した。将来的な中国進出をもくろむ武藤敬司社長(46)は「体も大きいし日本語も堪能。しっかり教えて『中国の力道山』のようなレスラーに育てたい」と期待。デビューが実現すれば全日本、新日本、ノアのメジャー3団体の中では初の中国人レスラー誕生となる。

 曹は父親が横浜の中華街で仕事をしていた関係で、01年に来日した。中学、高校では柔道部に所属し、神奈川・武相高3年時には団体戦で県大会3位の成績を残した。195センチ、125キロとプロレスラー並の体格で、この日初めて指導したカズ・ハヤシは「体の割にシャープに動ける。身体能力はあるので、努力次第では1年以内のデビューも可能だと思う」と話した。

 中学生のころからプロレスに興味を持ち、「武藤さんのファイトにオーラを感じていた」という曹は、スクワットや腕立て伏せ、受け身など約2時間の初練習を終えて「将来は頂点を目指す」と、力強く話した。