ダブル世界戦で防衛に成功した王者が、一夜明けて次戦を見据えた。WBC世界フライ級王者八重樫東(30=大橋)は13日、横浜市内のジムで会見。左目を痛めたが「次はガチンコ勝負」と力を込めた。

 八重樫はダウンも奪って、危なげなく2度目にして初の防衛だった。ただし、左目がパンチでこすれ、病院で手当てを受けた。深夜にテレビ出演の予定も、スタジオ入り直前にキャンセル。またも激闘を演じていたが「涙ボロボロでタオルを投げました」と笑った。

 彩夫人は妊娠中で岩手に帰省している。長男圭太郎君は観戦したが会っていない。その圭太郎君が描いた父親の勇姿と緑のベルトの絵が届いた。「ちゃんと顔になっている。上手になった」と目を細める。明日にも帰郷して、しばらくは家族と体を休める。

 「納得がいかないことがいっぱい。生き残ったのが一番」と振り返った。課題と反省もV2戦を見据えてのもの。11月にも2階級制覇を狙う同級1位ソーサ(メキシコ)と指名試合が濃厚。「申し分ない相手。腹をくくって、ガチンコ勝負で勝ち抜きたい」。強い決意をうかがわせた。