WBCが「レッドカード制度」導入へ

 【カンクン(メキシコ)13日(日本時間14日)=田口潤】WBCが反則騒動再発防止のため「レッドカード制度」を導入する。ホセ・スレイマン会長(76)が日刊スポーツの取材に答え、来年から4回目の反則をした場合、即失格で反則負けにする私案を明かした。レフェリーに反則を厳格に取らせることも徹底する。世界戦で亀田大毅が反則を繰り返したことをきっかけに、総本山も新たな対策を講じるつもりだ。

 反則騒動は2度と許さない。今回の騒動は内藤大助-亀田大毅の世界戦を認定したWBCにとっても大きな汚点になった。スレイマン会長は、世界戦の権威と信用を取り戻すための「レッドカード制度」導入を目指し、年明けにも各国のコミッションに打診する。

 スレイマン会長「3回目の反則までは減点だが、4度目は即失格で反則負けにする。リングの中ではレフェリーが裁判長。ルールを守らない者に戦う権利はない」

 新制度は反則認定の厳格化が大前提になる。今まではよほど悪質でない限り、即反則を取られることはなかった。

 スレイマン会長「今まで注意で終わったものも、早めに反則を取らせる。1ポイントの減点の罰を与えることで、反則抑止にもつながるはずだ」

 反則=負けの意識も植え付ける。これまでレフェリーはゴング前に、対戦する両選手とセコンドにルールを説明してきた。

 スレイマン会長「今後はレフェリーが試合前の控室で両陣営のマネジャー(会長)、選手、トレーナーに反則防止を訴える。ルールを守らなければ『レッドカード制度』の反則負けがあることを言い渡しておく」

 亀田の反則騒動に揺れた今年のボクシング界。だが、スレイマン会長は悲観していない。

 スレイマン会長「自分が会長になった30年前には米国などでひどい反則がたくさんあった。反則を防ぐため、ジャッジを2人から3人にするなどのルール改正もしてきた。今回の日本での騒動は、あらためて反則防止の徹底を図るチャンスでもある」

 反則騒動ばかりが注目されたが、これまで日本人選手の反則は世界的にみれば少なかった。

 スレイマン会長「亀田大毅は経験不足だった。パニックになって反則を犯したのだろう。素質はあるのだから一から経験を積んで、再起を期待したい。日本人は基本的にクリーンな選手が多い。来年は明るい話題でボクシングを盛り上げて欲しい」

 WBCはボクシング本来の魅力を伝えるためにも、反則防止を徹底する。[2007年12月15日8時38分

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