腰椎椎間板ヘルニアで大相撲秋場所を全休した西前頭13枚目の逸ノ城(23=湊)が3日、25キロの減量と九州場所(13日初日、福岡国際センター)の出場を明言した。過酷な入院生活と退院後の食生活の改善で、けが前に212キロあった体重は、ジャージー姿で量っても187キロに。2年ぶりに200キロの大台を切るどころか、快進撃が続いた入門1年目のような姿に大変身。九州場所について、福岡県古賀市の部屋で「もちろん出ます」と言い切った。

 腰に激痛が走ったのは8月26日の平塚市巡業2日目だった。左半身がしびれ、真っすぐに歩けない。週明けに入院したが、ベッドで上半身を起こすこともできない。痛みが引かず、眠れない。食事どころではなかった。パンやラム肉をかじる程度。病院食はおかみさんの真さんに譲る。手術を避けて治療した約25日の入院で200キロまで減った。

 そこで軽い体と、普通に歩ける喜びを知った。退院後は「やせます」と、初めて周囲に宣言した。炭水化物を抜いて、酒や菓子、ジュースも口にしない。“スリム”な姿に、1日の力士会では玉鷲から「新弟子が来た! 初めまして」とからかわれたほど。「九州ではラーメンも食べていない。8Lだったサイズが6Lになりました。動きも結構、いい感じですよ。歩いているときが楽です。軽い感じがします」と笑った。

 「もうちょっとやせたい」という肉体は改造中。関取との稽古はこれからで、もちろん不安はある。ただ「相撲を取れるのはうれしい。秋場所は病院で、みんないいなと思って見ていました」。モンゴルの怪物と呼ばれた当時の姿が、戻りつつある。【今村健人】