事実上の負け越しが決まり、昨年秋場所以来の関取復帰が来場所以降にお預けとなった東幕下2枚目の豊ノ島(33=時津風)が、痛みをこらえながら西幕下12枚目の霧馬山(20=陸奥)と対戦。

 場所前の稽古で発症した右ふくらはぎ痛は完治にほど遠く、思う通りに動けず、寄り切りで敗れた。

 そんきょも、ままならない状態で踏み込み、もろ差し。巻きかえられ左四つになり、右の上手は1枚で伸びた。そんな体勢でもジッと我慢し勝機をうかがったが、圧力をかけられ寄られた。何とか踏ん張って、うっちゃろうとさえしたが、館内の悲鳴にも似たファンの声援は、落胆のため息に変わった。

 「(ケガする前の)場所前の稽古は好調だったから、あの体勢になったら上手を切っていたところ。それが鈍っている。足の痛みで、こんなに動きが悪くなるのか…」と、もどかしさを口にした。

 星数では0勝4敗となったが、2番相撲が休場扱いになるため、残りは2番。「気持ちを切らさず、あと2番。来場所につながるように頑張ります」と気力を奮い立たせていた。