貴乃花一門の結束力が揺らぎ始めた。大相撲の春場所(11日初日、エディオンアリーナ)に向けて、同一門が毎年行っている連合稽古が、今年は実施されないことが2日、分かった。連合稽古は一門の結束力を高める意味も込めて年1度、春場所前に立浪部屋で実施していたが、立浪親方(49=元小結旭豊)は「今年はありません」と断言した。

 さらに近日中に開催される毎年恒例の激励会は、大阪市内の会場に「貴乃花一門」で予約されているが、一門の親方衆に案内が届いていないことが判明した。実質、貴乃花部屋激励会として行われる見通し。ある親方は「聞いていないものは行きようがない。誰も行かないのでは」と困惑気味だった。場所前の一門の行事はなくなることになった。

 そんな中で立浪親方は、一門離脱の手続きなどは予定にないものの、一定の距離を置く考えを明かした。「基本的に貴乃花一門を応援するのは変わらない。ただ、いろんな意見を聞いて相撲界が良くなるように、その都度最善の選択をしていきたい。錣山親方(元関脇寺尾)と近い考え方」と話した。錣山親方は昨年末に時津風一門を離脱して現在は無所属。2月の役員候補選挙では貴乃花一門に協力したが「自由な立場で意見を聞きたい」というスタンスだ。立浪親方は昨年末の一門総会で「貴乃花親方が理事長になるまで一生懸命応援します」と宣言していたが、今後は意見が分かれる可能性もある。一門の結束力に暗雲が漂ってきた。