7場所連続休場中の大相撲の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が4日、名古屋市の九重部屋に出稽古した。

 西前頭2枚目の千代の国を三番稽古に指名して11番で8勝3敗。最初の一番でいきなり、はたき込まれた後は勝ち負けが続き、5番取り終えた時点では2勝3敗だった。豪快に上手投げで転がされ「あー、クソッ」と、大声を出して悔しがる場面もあった。それでも、その後は6連勝で締めた。

 立ち合いから激しい突き、押しで攻めてくる千代の国が相手とあって、充実した稽古だったか問われると「うん」と、納得したような表情で返答した。ただ、千代の国は数日前まで38・5度の高熱にうなされるなど、今も体調を崩している。

 また、稽古を見守った解説者の舞の海氏は「最初の一番が、今の本人の相撲勘。本場所では同じ相手と5番も10番も取るわけではないから。まだ完全に、相撲勘は戻っていないと思う。ただ、今日(4日)のような稽古を続けていけば(状態は)上がっていく。力強さ、重さは一番よかったころのドッシリとしたところが戻ってきた。もう少し時間があれば、いけそうな気がする」と話した。名古屋場所(8日初日、ドルフィンズアリーナ)に出場すれば結果が求められるだけに、じっくりと鍛錬を重ね、9月の秋場所以降での復帰を勧めていた。