西前頭2枚目千代の国(28=九重)が、バースデー“銀星”を挙げた。

 大関高安(28=田子ノ浦)に2度上手投げを仕掛けたが耐えられ、逆に左四つに組まれて下手投げを食らいそうになった。しかし目いっぱい開脚して耐え、上体を起こした。最後は小手投げで勝ちきり「出し切ったっす。下から押して先に先にという気持ちだった」と逆転の一番を振り返った。開脚で踏みとどまった場面は「残りましたね。(相手の左足に自分の右足が引っかかったのか)全然覚えてません」とアドレナリンは全開だった。

 師匠の九重親方(元大関千代大海)も「汗の量もすごくてフレッシュ感があった。大関に好きな相撲を取られなかったよね」と称賛した。一時は度重なるけがで三段目まで番付を落とした愛弟子に「このくらいやってもらわないと困る。上位に上がって欲しい」と期待した。

 誕生日プレゼントとして同部屋の千代翔馬からはテーピング、千代丸からは大好きな炭酸水を1ケースもらい「実用的でうれしい」と喜んだ。

 この日は観客から「誕生日おめでとう」のパネルが掲げられ、地元の三重からも知人が30人近く駆け付けた。今朝はLINEの祝福メッセージも数多く届き「まだ返信していない人もいるので、帰ったら返したいです」と人気者は足早に車に乗り込んだ。