8場所連続休場から復活を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、連勝発進した。22歳の小結貴景勝の攻めを、しのぎ続けて逆転の突き落とし。取組前まで連敗中で、通算1勝2敗と苦手としていた新鋭を退けた。元横綱武蔵丸(現武蔵川親方)と並ぶ、歴代7位タイの幕内通算706勝目となった。

<関係者のコメント>

◆八角理事長(元横綱北勝海) 稀勢の里は最後、西土俵に詰まったところでよく残した。残したから貴景勝が崩れた。気迫というか必死さだろう。場所が始まるまでは不安ばかりだったろうが、今日のような相撲を取れば、やれるという自信になってくる。

◆幕内後半戦の阿武松審判長(元関脇益荒雄) 稀勢の里は素晴らしかった。辛抱して残したことと、相手を呼び込むような安易なはたきに行かなかったのが勝因。辛抱して勝つのも横綱相撲だと思う。場所前の出稽古でも本場所への準備が今までよりできていた。

◆師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴) 体が動いていた。自信につながるだろうが、まだ序盤。(相撲勘は)戻ってきている。(2勝で精神的な余裕は)さすがにまだないと思うが、今日は落ち着いていた。