大相撲九州場所で初優勝を果たした小結貴景勝(22=千賀ノ浦)が26日、福岡・篠栗町の宿舎で、優勝の一夜明け会見を行った。場所前には師匠だった元貴乃花親方(元横綱)が日本相撲協会を退職。所属先も貴乃花部屋から千賀ノ浦部屋に変更するなど、環境が激変した中での優勝だった。それでも「達成感を出してる場合ではない。今場所で終わりならあるかもしれないけど。まだまだありますし」と余韻に浸ることは一切なかった。

3横綱不在の場所を締めた貴景勝。優勝争いの意識は九州場所7日目ごろに、周囲からの声を聞いて出てきたという。だが「明日はうまくいかないだろう、明日はうまくいかないだろうと思いながらやった。うまくいかない前提でやっていた」と日々、高ぶる気持ちを抑えながら土俵に上がっていた。

今場所のターニングポイントに、14日目の勝てば優勝が決まっていた大関高安戦を挙げた。「大事なところで勝ちきれなかった。残念。星が並んだ悔しさもあったし、自分と向き合うのが大変だった」と振り返った。しっかり寝ていたつもりでも、どこか頭の中では翌日のことを考えていたという。だから千秋楽で優勝が決まった前夜は、「何も考えずに寝れたのがうれしかった」と柔和な表情を浮かべた。