高校相撲で2018年の総体を制した埼玉栄高の斎藤大輔(18)が21日、さいたま市内の同校にて大相撲の八角部屋入門会見を行った。190センチ、135キロの高校相撲界屈指のホープは、春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)前の3月2日の新弟子検査を受ける予定。

高校横綱が大相撲挑戦を表明した。師匠の八角親方(元横綱北勝海)、相撲部の山田道紀監督が同席する中、斎藤は「親方を信じてたくさん稽古をして、関取になりたい」と誓った。高校の同級生、栃神山(18)らがすでに大相撲入りする中、大学進学も選択肢に入れて卒業後の進路を熟考した。「(大学進学と)迷っていた時期もあったけど、山田先生に『将来的にどこにいきたいのか』と言われて、プロにいきたい気持ちがあった」。大関豪栄道、関脇貴景勝ら同校OBの力士は幕内だけで6人。「早く先輩たちに追いつきたい」と目を輝かせた。

八角部屋には高校の先輩で、春場所で新三役が確実視されている北勝富士(26)も在籍する。入門にいたったきっかけは小学校時代、わんぱく相撲に出場した際に部屋に宿泊させてもらったこと。当時、同じ山形県出身で元前頭大岩戸の上林義之氏など「(八角)部屋はいい人ばかりで優しくしてもらって、その時から気になっていた」と明かした。自身の強みを「突き押しからの左四つ」と自負する。「八角親方のような偉大な力士になりたい」と力を込めた。

恩師の山田監督は斎藤のアスリートとしての資質を高く評価した。「運動神経がすごい。50メートルを走れば6秒台。生まれ持ったものが高校生の中では飛び抜けていた」。期待の新弟子に八角親方も「うれしいのが率直な気持ち。これだけの逸材なので。気は優しくて力持ちな、立派な力士になってほしい」と期待を寄せた。

山形県酒田市出身の斎藤は小3で相撲を始め、小6でわんぱく相撲2位、中2で全中3位。高校進学と同時に山形を離れ、3年時に高校総体で団体、個人ともに優勝、世界ジュニアでも重量級を制するなど、輝かしい実績を収めた。