大相撲の小結御嶽海(26=出羽海)が春場所(10日初日、エディオンアリーナ大阪)にぶっつけ本番で臨む。

7日、堺市の部屋での朝稽古では四股などの基礎運動や、若い衆相手に立ち合い確認を行っただけ。初場所6日目の妙義龍戦で痛めた左膝付近が完治しておらず、今場所前は出稽古なしで、最後まで関取と相撲をとらない、異例の調整となった。

御嶽海は「出稽古ができていない不安は残るけど(ぶつかり稽古などで)押してる感じは悪くない。(本場所で)やってみなきゃわからないですけどね」という。出羽海親方(元前頭小城ノ花)も「出稽古に行きたかったけど、本人と話して“無理をしても”となった。万全じゃないし、不安はあるけど、やってもらわないとね」と心配そうだ。

痛みは残っている。動きも単純な前後のものなら大丈夫でも、本場所では左右の動き、激しさという不確定要素が加わる。しかし、本人に暗さはない。「今回はビッグマウスはしません。かなり抑えてます。最低でも勝ち越し、あとケガをしないように。三役も続いているし、その上(大関)もしっかり見ていきたいですからね」。三役在位13場所目。実績、安定感とも若手で群を抜くリーダー的存在として、まずは横綱戦の可能性が高い初日の一番に集中する。「そこが一番大きいんじゃないですか? 勝ち負けだけじゃなく、その後につながる相撲がとれるかどうか。楽しみですよ」と不敵に笑った。