大関復帰を目指す関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が、昇進目安の「三役で3場所33勝」に到達した。東前頭6枚目玉鷲に攻め込まれる場面はあったが、突き落として9勝目。1場所15日制となった1949年以降、直前場所9勝で昇進した例はない。残り3日の大関戦で“当確ランプ”をともしたい。優勝争いは2敗を守った先頭の小結高安、3敗の大関朝乃山、照ノ富士の3人に絞られつつある。

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照ノ富士が「夢」の大関復帰に前進した。玉鷲の突き押しをしのぐ。相手の突きに後退したものの、俵にかかった右足で踏ん張り左から突き落とした。返り三役だった昨年11月場所から、3場所で計33勝目。大関昇進の目安とされる数字に到達。「まずはこれ(33勝)をクリアできないと大関昇進(の話)は出てこない。クリアできたことによってちょっとでも、夢に1歩近づいたかな」。17年秋場所以来の大関復帰が近づきつつあり、言葉にもわずかな安堵(あんど)感がにじんだ。

残り3日間で大関の座を手中に収めたい。「33勝」はあくまで目安。昇進問題を預かる審判部の伊勢ケ浜部長(元横綱旭富士)は「相撲が全部終わってから」と明言を避けた。1場所15日制となった49年(昭24)夏場所以降、直前場所を9勝で昇進した例はない。もし、ここから3連敗で2桁白星を逃せば、昇進の機運がしぼむ懸念も。照ノ富士は「明日から改めて気を引き締めて、残り3日間頑張りたい」と、3大関との対戦が確実となる13日目以降を見据えた。首位の小結高安とは1差。「優勝の可能性もまだありますので」と3度目の賜杯獲得にも意欲十分だ。【佐藤礼征】