日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審)がこの日、本場所総見を行い、新たに委員となった俳優の紺野美沙子さんが報道陣の取材に応じた。

今場所から入場規制が緩和された中での総見に「久しぶりに、ほぼ満員に近いお客さんの中で楽しめました。先輩の委員の皆さまが、とても温かく気さくに話し掛けてくださって、緊張していましたので、そういう意味ではリラックスして楽しく観戦できました」と笑顔で答えた。

元文部科学副大臣で、今年3月まで日本相撲協会の評議員だった池坊保子さんも新たに委員に就任した。女性の横審委員は00年9月から10年1月まで務めた脚本家の内館牧子氏以来で、2人同時に務めるのは初めて。このことには「長年の相撲ファンで、女性ファンということで依頼されましたが、ファンの代表といっては、おこがましいですが一ファンの目線で大相撲が発展していくように尽力していきます」と抱負を交えて語った。委員として期待することは「新横綱の誕生の瞬間に立ち会いたいですし、その瞬間を想像しただけでも本当にワクワクします。早く新横綱を推挙したいです。特に国籍にはこだわらず、強くて、たくましい横綱に出てきてほしいです」と、諮問を待ちわびるように話した。

ファン歴は半世紀ほどといい「柏戸、大鵬(の柏鵬時代)の終わりぐらい。北の富士さんとか玉の海さん出て来られたころからですね」と懐かしむように話した。自身の横綱像については「心技体と言いますが一番、必要なのは強さだと思います」とし、一人横綱の照ノ富士には「膝を故障されて、どん底から復帰した横綱ですから、少しでも長く務めていただきたいと応援しています」とエールを送っていた。

紺野さんは熱心な大相撲ファンで知られ、19年から21年まで日本相撲協会が設置した「大相撲の継承発展を考える有識者会議」で委員を務めた。この日の総見は、高村正彦委員長(元自民党副総裁)はじめ、紺野さんら6委員が出席(2委員は欠席)し、観客とともに升席から土俵を見守った。