西前頭4枚目の高安(32=田子ノ浦)は勝って優勝決定戦に持ち込みたかった玉鷲との一番で、立ち合い、右からのおっつけに状態が浮き、そのまま攻めこまれて押し出された。

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賜杯はまたも高安の手をすり抜けた。勝って優勝決定戦に持ち込みたい玉鷲との一番。立ち合いで後手に回り、攻め込まれて押し出された。「いつもと変わらず準備して、しっかりいい相撲をとろうといきました。精いっぱい相撲をとった。玉鷲関が強かったです。完敗です」と潔かった。

今年春場所は若隆景との優勝決定戦に敗れた。今年2度目の“準優勝”。「弱いから負けた。まだまだ稽古が足りなかったということです」。心は折れていない。「もう悔いはない。優勝できなかったが、自分の中で(優勝との)距離感は縮まっている。何度でも挑戦したい。この気持ちを忘れず鍛えます」と誓った。

場所前の8月に第2子が生まれた。「励みになる」という家族の存在もあり、以前にあった勝負弱さも克服に近づいている。6度目の敢闘賞を「評価してもらった」と励みに九州場所でこそ賜杯をその手に抱く。