優勝争いでトップに並ぶ1敗の4人がそろって白星を挙げ6勝1敗と星を伸ばした。

報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、それぞれの力士の、この日の相撲を踏まえ現状の好調ぶりを説明した。4人の中で番付最上位の関脇豊昇龍(23=立浪)は、若元春(29=荒汐)を鋭い踏み込みから突き放し、押し込んでからもろ差しに。一度、相手をつった後、若元春が強引に小手投げを打つところで左足を駆け、外掛けで勝った。真っ向から立ったことに「これが(豊昇龍が)目指す相撲でしょう。張り差しなんかに行かないで積極的に2本差した。いい立ち合いで腰も下りる。あの形になれば足腰もいいし負けない」と今場所一番の立ち合いを褒めた。

この日もかち上げで大栄翔(29=追手風)を圧倒した高安(32=田子ノ浦)については「立ち合いでかち上げて圧力をかけることが大事。これを貫き通している。相手の出足を止めている」と迷いのない立ち合いを評価。再び3連勝で6勝目を挙げた阿炎(28=錣山)については、三役の力は織り込み済みのように「上位と対戦しても(もともと)実力はありますから。乗ってきたという感じ」。4人の中で最年少の王鵬(22=大嶽)は将来性も込めて「圧力が出てきたなという感じ。これからでしょう」と期待した。