優勝争いで単独トップを走っていた関脇豊昇龍(23=立浪)が、高校時代に同学年でライバル関係にあり1差で追っていた平幕の王鵬(22=大嶽)に敗れ、王鵬とこの日勝った高安(32=田子ノ浦)と合わせ、3人が2敗でトップに並ぶ混戦となった。
立ち合いは、ほぼ互角の当たりで、その後、豊昇龍が押し込んだように見えた。ただ、足がそろい、やや拙速にも見えたところで、王鵬が体を左にかわしながら絶妙なタイミングではたいた。たまらず土俵にはう豊昇龍に8日ぶりの土がついた。
報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、豊昇龍の焦りを見逃さなかった。「あんなに慌てることはないのに『押された』という感覚があるからマズいと思って慌てて出てしまった」。ここまで幕内上位を相手に白星を重ねてきたが、この日の王鵬は番付で16枚も下の相手。さらに優勝争いで初めてトップを走るという、精神状態にも同理事長は言及した。「(この日の取組前時点で)残り4日だから(優勝の)意識はあったでしょう。格下の相手で、どうしても安全に行こうとして思い切っていけない。そこは難しい。上に向かっていくのが豊昇龍ですから」。王鵬については「一生懸命にやっている」と話すにとどめたが、2敗で3人が並んだ優勝争いの見通しについては「(誰が有利、不利かは)言えないと」と混戦を予想した。

