今年、最も多い決まり手で白星を挙げた豊昇龍(23=立浪)が「彩多賞」に輝いた。
実に22種類もの決まり手で勝ったと知ると「えっ、そんなに!? 狙っているわけがない」と、驚きつつ笑った。今年の6場所すべて勝ち越しは若隆景と2人だけ。年間最多勝争いでも豊昇龍の55勝は、若隆景の57勝に次いで、琴ノ若と並ぶ2位だった。最近5場所は三役に定着し「いい1年だった」とうなずいた。
足技がさえ、外掛けで3勝、河津掛けで1勝、渡し込みで1勝と掛け手で計5勝も最多だった。「今年最初の取組が一番うまく決まった。『今年はいける』と思えた」と力説。千代翔馬を外掛けで破った初場所初日の手応えが、飛躍の1年へ後押しした。そもそも「自分は右四つでも左四つでも取ることができる。だから相手の得意の形にしないことが大事」というオールラウンダー。決まり手が増えるのも必然だ。
さらに投げ手で計15勝も幕内力士で最も多く「最優秀投手賞」に輝いた。昨年秋場所で若隆景を破った一本背負いも「稽古で1度もやっていない。勝ちたい気持ちで、とっさに出た」という天才肌。おじの元横綱朝青龍を思わせる闘志で、投げでも足技でも勝ちにこだわる。決まり手が増えるスタイルは来年も土俵を沸かせそうだ。【高田文太】

