日本相撲協会は27日、大相撲春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)の新番付を発表した。平幕以下の関取衆の番付をみてみよう。

大関から陥落し、復帰のチャンスがあった先場所の関脇でも6勝9敗と負け越した正代(31=時津風)は、20年初場所以来となる平幕に降格し、西前頭筆頭から再起を目指す。先場所、大関貴景勝(26=常盤山)と千秋楽で優勝を争った琴勝峰(23=佐渡ケ嶽)は東前頭5枚目と番付を8枚上げた。途中休場し1勝5敗9休だった高安(32=田子ノ浦)は、関脇から西前頭7枚目に降下した。ガイドライン違反で全休した逸ノ城(29=湊)は、20年7月場所以来となる十両(東3枚目)の土俵から再起の道を歩む。

幕内の座を初めて射止めた新入幕は、3人も名を連ねた。カザフスタン出身で東前頭14枚目の金峰山(25=木瀬)は、木瀬部屋からは19年夏場所の志摩ノ海以来の新入幕で、カザフスタン出身では初めて。外国出身は昨年秋場所の水戸龍以来、戦後52人目の新入幕力士誕生となった。なお日大出身では水戸龍以来40人の幕内力士輩出となった。

西前頭14枚目の武将山(27=藤島)は、藤島部屋からは現師匠(元大関武双山)の部屋創設以降、11年九州場所の剣武以来、2人目の幕内力士誕生だが、藤島部屋として初土俵を踏んだ力士としては初めてだ(剣武の初土俵は武蔵川部屋)。また茨城県出身では20年11月場所の天空海以来、戦後14人目となった。

東前頭15枚目の北青鵬(21=宮城野)は、宮城野部屋からは現師匠(元横綱白鵬)が部屋継承後では初めての幕内力士誕生だ。なお宮城野部屋としては19年夏場所の炎鵬以来となる。北海道出身では21年名古屋場所の一山本以来、戦後54人目の幕内力士輩出となった。

なお、同一場所で新入幕が3人以上誕生したのは、19年春場所(友風、照強、大翔鵬)以来となった。東前頭13枚目の大翔鵬(28=追手風)は、19年九州場所以来となる19場所ぶりの幕内復帰を果たした。

また、大関経験者で、先場所は14勝1敗で十両優勝を果たした朝乃山(28=高砂)は東十両筆頭と、幕内復帰をあと1歩で逃した。幕内の枠は4つあったが、他に成績優秀者がおり5番手候補だったようだ。今場所は勝ち越せば幕内復帰が確実な位置につけており、大勝ちすれば幕内中位までの復帰も望めそうだ。

既に発表されている十両昇進は4人。念願の関取の座を初めて手にした新十両は2人が顔をそろえた。

玉正鳳(29=片男波)は、片男波部屋からは現師匠(元関脇玉春日)が継承後では初めての関取誕生。片男波部屋としては、08年初場所の玉鷲以来となる。モンゴル出身では昨年名古屋場所の欧勝馬以来37人目で、外国出身では昨年九州場所の狼雅以来、戦後72人目となる。また所要68場所での新十両は、外国出身としては史上2位のスロー昇進(1位は鬼嵐の71場所)となった。

もう一人の新十両の落合(19=宮城野)は、宮城野部屋からは現師匠の部屋継承後では初の新十両。宮城野部屋としては、21年秋場所の北青鵬以来となる。鳥取県出身では元横綱琴桜、石浦に続き戦後3人目の新十両。初土俵の翌場所で新十両昇進は、00年9月の幕下付け出し基準の変更後では初のケースとなる。

再十両は友風(28=二所ノ関)と徳勝龍(36=木瀬)の2人。友風は20年春場所以来、17場所ぶりの十両復帰で、幕内経験者が序二段に降格後、再十両を果たしたのは照ノ富士、宇良に続き史上3人目の復活劇となった。徳勝龍は昨年九州場所以来、2場所ぶりの十両復帰で、36歳6カ月での再十両は戦後4位の高齢昇進(1位は大潮の39歳5カ月)となった。

先場所、西前頭11枚目で途中休場(2勝3敗10休)した栃ノ心(35=春日野)は西十両2枚目に番付を落とした。大関経験者の十両陥落は大受、雅山、把瑠都、照ノ富士、琴奨菊、朝乃山に続き7人目となった。

大相撲春場所は、3月10日の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。12日の初日を迎える。