大関経験者で東十両筆頭の朝乃山(29=高砂)が、天空海を破り、11勝2敗とした。立ち合いは、相手に勢いよく踏み込まれたが右四つに組み止めた。胸を合わせて寄ったが、巻き替えられ、差し手争いに乗じて押し返された。それでも圧力をかけ返して前に出ると、朝乃山の右腕をたぐって、反撃を試みようとした天空海を、やや強引に押し倒した。幕下時代の改名前、本名の石橋で土俵に上がっていた17年1月の初場所以来、6年ぶり2度目の顔合わせだったが、初顔合わせに続いて白星を挙げた。

前日23日の12日目は、西前頭15枚目の王鵬に敗れ、2敗目を喫した。防戦一方で、最後はもろ差しを許して寄り切られた。それだけに、この日の取組後は「昨日(12日目)の相撲は全然ダメでしたので、その思いを今日にぶつけようと思って土俵に上がりました。天空海関は、もともと柔道をしていて、投げ技とかもうまいので、じっくり攻めようと思った。でも、まだダメなところもありましたので、そこを修正していきたい」と、盛り返したい思いの強さと、まだ取り口には納得までは至っていない心境を語った。

その12日目に敗れた映像は「何十回」と、繰り返し確認したという。特に右を差しながら、自ら抜くような動作をしてしまったことには「しっかり差してから、まわしを取っていないから」と、あらためて、まわしを取る、取ったら離さないということを肝に銘じた様子だ。

取組後、右肘付近を気にするしぐさもあったが「大丈夫です」と断言した。その後、幕内土俵に立った逸ノ城が勝った。2場所連続の十両優勝へ、逸ノ城を1差で追う展開は変わらず。「あと2日しかないので、星勘定を気にせず、昨日みたいな相撲は取りたくないので、しっかり明日につながる相撲を取っていきたい」。確実としている再入幕後を見据え、内容にこだわって取っていくつもりだ。