日本相撲協会は29日、大阪市内で大相撲夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議を開き、十両昇進力士3人を発表した。

新十両は藤青雲(25=藤島)、時疾風(26=時津風)の2人で、念願の関取の座を初めてつかんだ。また、千代栄(32=九重)は2場所ぶりの復帰となる再十両を果たした。

さきの春場所で西幕下2枚目の藤青雲、東幕下3枚目の時疾風は、ともに4勝3敗の成績を収めた。また、西幕下2枚目の千代栄は5勝2敗の結果を残した。

藤青雲(本名・東龍輝)は熊本市西区出身。明大を卒業後、約1年のブランクを経て、年齢制限緩和措置により21年春場所で初土俵(コロナ禍で前相撲はなし)。翌夏場所の序ノ口から3場所連続7戦全勝(優勝は序ノ口と三段目の各1回)の21連勝で幕下入り。幕下では3勝4敗の負け越しが2回あるだけで着実に番付を上げ、所要2年でスピード出世を果たした。181センチ、139キロで右四つ、寄りを得意とする。

時疾風(本名・冨栄秀喜)は宮城県栗原市出身。東京農大を経て19年春場所で初土俵を踏んだ。序ノ口から所要3場所で幕下入り。だが、幕下1ケタ台では壁にはね返されてきた。東幕下15枚目だった21年春場所では、6戦全勝で三役経験者の阿炎と7番相撲で対戦。勝てば優勝&新十両昇進だったが、引き落としで敗れて逃した。その後も勝ち越しと負け越しを繰り返したが、初土俵から4年で関取の座をものにした。178センチ、130キロで左四つ、寄りを得意とする。序二段で優勝経験がある。

再十両の千代栄(本名・岸栄太)は京都府福知山市出身。09年初場所が初土俵で、12年半をかけて昨年7月の名古屋場所で悲願の新十両昇進を果たした。4場所連続で十両の土俵を務めた後、先の春場所で幕下に降格したが、1場所で復帰を果たした。

日大4年時に学生横綱の座に就き、22年9月の初場所で幕下15枚目格付け出しで初土俵を踏んだ川副(23=宮城野)は、西幕下3枚目の春場所で4勝3敗だった。昇進の可能性もあったが、今回は惜しくも逃した。野球WBCの侍ジャパンで世界一になった主砲の村上宗隆内野手(ヤクルト)とは、高校こそ違うが(川副は文徳高、村上は九州学院高)、同学年で交流があり、よく話した間柄だという。