大関とりに挑む豊昇龍(24=立浪)が、大関昇進目安の3場所33勝到達までマジック「1」とした。関脇若元春(荒汐)を小手投げで下して11勝目を挙げた。

難敵に打ち勝った。同じ大関とりに挑む若元春との大一番。相手の立ち合い変化に虚をつかれながらも、冷静に対処。鮮やかな小手投げで3敗を守った。「ちゃんと見ながらいけた」と振り返り、北勝富士、伯桜鵬とトップに並んで千秋楽を迎えることになった。

終盤戦の強さが光る。先場所は12日目から4連勝で11勝に乗せた。今場所は12日目に北勝富士に敗れて3敗に後退するも、翌13日目に新大関霧島を力強く寄り切って連敗は免れた。大関とりの大栄翔と若元春の2関脇が星を落とす中でも踏みとどまった。「(2人に)負けないように頑張る」との公言通り、ただ1人、大関昇進目安の3場所33勝に到達する可能性を残した。

階段を着々と上る24歳。21歳9カ月で大関昇進を果たした憧れのおじ、元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏の背中を追いかけて臨んだ今場所。泣いても笑っても、あとは千秋楽を残すのみ。相手は19歳の新入幕の伯桜鵬。勝てば3場所33勝に届き、北勝富士が本割で錦木に敗れれば、自身の初優勝が決まる。大関とり、さらに初の賜杯へ。プレッシャーのかかる状況にも、「しっかりいつも通り、自分の相撲を取って終わらせたい」と引き締めた。「1日一番自分の相撲を取る」ことを貫く。

◆豊昇龍智勝(ほうしょうりゅう・ともかつ)本名・スガラグチャー・ビャンバスレン。1999年5月22日、モンゴル・ウランバートル市生まれ。千葉・日体大柏高から立浪部屋に入門し、18年初場所で初土俵。19年九州場所で新十両、20年秋場所で新入幕、22年春場所で新小結、同秋場所で新関脇。得意は右四つ、寄り、投げ。188センチ、142キロ。