今場所後の大関昇進を目指す関脇大栄翔(29=追手風)が、阿武咲を下して9勝目を挙げた。11日目は大関霧島、12日目は平幕玉鷲、13日目に若元春と敗れていた中で、ようやく連敗を脱出した。

中盤戦が終わる10日目終了時点で8勝2敗と、順調なペースを歩んでいたが、春場所千秋楽を単独トップで迎えながら本割、優勝決定戦と連敗した“天敵”霧島に、11日目に敗れた。そこから悪い流れに陥り、12日目も取組後に10勝15敗となる合口の悪さもあるが玉鷲にも敗れ、13日目に大関昇進を争う若元春にも敗れて3連敗で大関昇進目安の三役で3場所33勝には届かなかった。

33勝には到達しなかったとはいえ、昇進の可能性が消滅したわけではない。千秋楽の残りの1番を勝って終わるのが、望みをつなぐ唯一の方法だ。

◆大栄翔勇人(だいえいしょう・はやと)本名・高西勇人。1993年(平5)11月10日、埼玉県朝霞市生まれ。朝霞第四小1年から相撲を始める。埼玉栄高3年時に高校総体団体2位、個人3位。昔から元大関千代大海(現・九重親方)のファンで、埼玉栄高の山田道紀監督の紹介で追手風部屋に入門。12年初場所で初土俵、14年名古屋場所で新十両、15年秋場所で新入幕、20年初場所で新小結、同秋場所新関脇。得意は突き、押し。182センチ、164キロ。