日本相撲協会は26日、名古屋市のドルフィンズアリーナで秋場所(9月10日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開催し、関脇豊昇龍(24=立浪)の大関昇進を満場一致で承認した。

この後、協会から送られた使者が名古屋市内の立浪部屋を訪れ、豊昇龍は昇進伝達式に臨む。

伝達式で最も注目されるのが口上だ。貴ノ花(後の横綱貴乃花)の「不撓(ふとう)不屈」、若ノ花(後の横綱3代目若乃花)の「一意専心」、さらに琴奨菊の「万里一空」や正代の「至誠一貫」など、それまで聞き慣れない四字熟語も、用いられることがあった。

先場所後に昇進を果たした霧馬山(当時)は「謹んでお受けいたします。大関の名を汚さぬよう今まで以上に稽古して頑張ります」と決意を述べ、伝達式後に臨んだ会見でしこ名を師匠の陸奥親方と同じ「霧島」に改名すると発表してサプライズを起こした。

豊昇龍のおじの元横綱朝青龍、ドルゴルスレン・ダグワドルジ氏が21歳9カ月で大関昇進を果たした際には「大関の名に恥じぬよう一生懸命頑張ります」と決意表明した。

豊昇龍は3月の春場所を10勝5敗、5月の夏場所を11勝4敗、そして名古屋場所を12勝3敗で初優勝。大関昇進の目安とされる「三役で直近3場所33勝」にも到達した。

モンゴル出身の大関は先場所後の霧島に続いて7人目で、大関誕生は2場所連続。2場所連続での新大関は、11年秋場所後の琴奨菊→同九州場所後の稀勢の里以来となる11年ぶり。これにより来場所は1横綱3大関で迎える。

◆豊昇龍智勝(ほうしょうりゅう・ともかつ)本名スガラグチャー・ビャンバスレン。1999年5月22日、モンゴル・ウランバートル市生まれ。千葉・日体大柏高から立浪部屋に入門し、18年初場所で初土俵。19年九州場所で新十両、20年秋場所で新入幕、22年春場所で新小結、同秋場所で新関脇。23年名古屋場所で初優勝飾り、場所後に大関昇進。得意は右四つ、寄り、投げ。188センチ、142キロ。