大相撲の関脇大栄翔(29=追手風)が、名古屋場所中に肋骨(ろっこつ)を骨折していたことを明かした。

20日、栃木・小山市の栃木県立南体育館で行われた夏巡業に参加。場所後の夏巡業は休場が続き、前日19日の新潟・長岡市で行われた巡業から合流した。休場が続いた理由は肋骨の骨折だったと言い、「まだ多少は痛みが残っている。(トレーナーから)再発しやすいと言われているので、無理せずにいけたら」と話した。

大関とりに挑んだ名古屋場所の13日目、若元春にはたき込みで敗れて胸を土俵上に強打。直後から激痛が走った。宿舎まで向かう帰りの車中にも氷で冷やすも一向に痛みは消えず、むしろ悪化。「着いたときには動けないくらいでした」と病院に直行し、レントゲンとMRIを行った上で医師から内出血がひどく、骨折していると聞かされた。14日目以降は痛み止め薬を服用して出場。最終的には9勝6敗で終え、大関とり成功とはならず「根本的に実力が足らない。稽古して一からやり直すしかない」と振り返った。

場所後の2週間は痛みがなかなか引かず、自宅で安静した。今月上旬頃には稽古用の白まわし姿で稽古場に下りたものの、土俵周りを歩くくらいしかできなかったという。次第に四股やすり足といった基礎運動に移り、若い衆に胸を出すところまできた。まだ相撲を取る稽古はできていないが、秋場所(9月10日初日、東京・両国国技館)に向けて「焦らずにいきたい」と話す。

11月で30歳を迎え、秋場所は20代最後となる本場所だ。全国高校総体の団体戦を5年ぶりに制した母校の埼玉栄の後輩ら活躍に刺激をもらい、気持ちを新たに場所に臨む。【平山連】