草野直哉(日大4年)が悲願の学生横綱のタイトルを手にした。

決勝は金沢学院大4年の池田俊と対戦。土俵際の投げの打ち合いで、主審の判定は池田の小手投げも、副審から異議。協議の結果、草野のすくい投げへ“差し違え”となった。

草野は勝負を振り返り、「ドキドキしたけど、自分もしっかり相撲をとれた。相手が先に落ちたのも見えたので。うれしかった」とかみしめた。

今年10月の世界選手権重量級で優勝するなど実力は折り紙付きだが「学生横綱」は縁がなかった。最後の挑戦となる今年、その思いはより強まった。「この1週間は相撲のことを考えると寝付けず、精神的につらかった。ずっと夢見ていたタイトルなんで」。それだけに喜びもひとしおだった。

すでに幕下付け出しの資格は得ていた。「大相撲には挑戦しようと思っているが、先のことはまだ考えていない。これからじっくり考えていこうと思っています」。大学での相撲生活をやりきり、自身の未来をしっかり見つめていく。【実藤健一】