幕下15枚目格付け出しとして初土俵を踏む“最後”の力士となった、モンゴル出身の阿武剋(おうのかつ、23=阿武松)は、黒星デビューとなった。30歳の琴太豪に、鋭い立ち合いから右を差して前に出た。だが、相手のうまさにまわしを取れず、逆に両まわしを引きつけられた。上手投げでバランスを崩されると、そのまま圧力をかけられて寄り切られた。昨年、日体大で学生横綱。中学時代は出身のモンゴル・ウブス県で、数学オリンピック優勝という変わり種として注目されたが、苦いデビューとなった。

9月の秋場所後に行われた日本相撲協会の理事会で、付け出し規定の変更が決まった。従来はアマチュア横綱、学生横綱らに幕下10枚目格、15枚目格の付け出し資格が与えられていたが、それが廃止となった。替わって全日本選手権、全国学生選手権、国体(成年の部)で8強以上に一律で幕下最下位格、16強以上に一律で三段目最下位格の資格が与えられることになった。また、全国高校選手権、国体(少年の部)で4強以上に、一律で三段目最下位格の資格が与えられることも決まった。

幕下15枚目格として初土俵を踏むのは、再び規定が変更されない限り、阿武剋が最後となる。今年、伯桜鵬が果たした、所要1場所での新十両昇進というスピード出世の最速記録に並ぶことは、事実上、今後は不可能となった。伯桜鵬の記録に並ぶ可能性がある、最後のチャンスを有していた阿武剋は、新弟子検査後に「理想は幕下で全勝優勝して1場所で関取に」と話していたが、黒星デビュー。来場所の新十両昇進の可能性は消滅した。