大関貴景勝(27=常盤山)の3度目の優勝に始まり、霧島と豊昇龍の大関昇進など、今年も大相撲はさまざまな出来事が起きた。今年の全6場所で幕内を務めた、30人の力士を対象とした年末恒例の「第12回日刊スポーツ大相撲大賞」は、そんな陰で生まれた好記録や珍記録を表彰する。

   ◇   ◇   ◇

敢闘精神評価の年間最上位者は、2年連続で平幕の宇良(31=木瀬)だった。日本相撲協会による観客や公式アプリの有料会員へのアンケートで敢闘精神あふれる力士を評価し、本場所中に連日、幕内と十両の上位3人を発表している。これを日刊スポーツの独自集計で受賞回数、1位選出回数、ポイント、総得票数に分けると、宇良が4部門を総なめした。

敢闘精神1位に3ポイント(P)、2位に2P、3位に1Pとして算出。全6場所で宇良が3位以内に入ったのは44回に上り、このうち1位選出回数は17回を数えた。幕内力士唯一の3桁台となる100Pをマークし、2位の貴景勝(71P)を29P上回った。総得票数でも2382票と2位以下に大差を付けての圧勝。今や名実共に人気力士の1人だ。

自己最高位の西前頭筆頭として臨んだ九州場所では、千秋楽で現役最長身204センチの北青鵬を押し倒して勝ち越しを決めた。相次ぐ大けがで一時は序二段まで番付を落とした苦労人が、新三役に大きく前進している。25日に控える初場所(来年1月14日初日、東京・両国国技館)の番付発表が待ち遠しい。【平山連】(おわり)