横綱昇進がかかる大関霧島(27=陸奥)が、ライバル対決を制して2敗を守った。同じモンゴル出身の後輩、大関豊昇龍(24=立浪)を二枚蹴りで下した。

譲れない。霧島の意地が、豊昇龍を上回った。幕内での対戦成績は7勝8敗と拮抗している相手に対して、貴重な11勝目。ライバルとの勝負を制し、優勝争いに残った。

両者はモンゴルにいた頃に同じ柔道クラブに所属し、当時は畳の上で稽古に明け暮れた。海を渡った2人は土俵の上で再会を果たして切磋琢磨(せっさたくま)し、今では看板力士に上り詰めた。場所前の時津風一門の連合稽古でもお互いに相撲を取り、攻防ある熱戦を展開した。ムキになって向かってくる豊昇龍に、霧島が「つい熱くなっちゃう」と勝ち逃げして切り上げたシーンは大きな見所となった。

大関という地位に安住するつもりはない。この日の朝に霧島は「向こうもうそういう気持ちだと思うけど、豊昇龍より一つ前に上がっていきたい」。ライバルよりも先にさらなる高みへ-。江戸時代から数えて73人しかいない番付の頂点を目指し、残り2番に挑む。