日本相撲協会は27日、大阪市内で大相撲夏場所(5月12日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議を開き、阿武剋(23=阿武松)の新十両昇進を決めた。

モンゴル出身の阿武剋は15歳で来日し、神奈川県の旭丘高へ。卒業後は日体大へ進み、春場所で大活躍した大の里とは同級生。4年時に学生横綱となり、幕下付け出し資格を得た。昨年九州場所のデビューで5勝→6勝→5勝と勝ち越しを続け、所要3場所で関取昇進を決めた。

「うれしいです。まだ実感わかないけど、これから頑張っていこうと思います」と喜びを語る。モンゴルの家族にも連絡。父親は涙して喜んだという。

師匠の阿武松親方(元幕内大道)は「研修期間、場所に出られない思いを抑えて稽古に励む姿を見てきた。最初の時、1番とって『今のはどうでしたか』と聞いてくる。相撲に対して熱心だし、研究したい熱い気持ちを感じた」と言う。

まだまげも結えないザンバラ髪だが最近、活躍が目立つ“黄金世代”。「(大の里は)一緒に戦ってきた仲間だった。自分がそこに加わっていない悔しさと活躍しているうれしさがあった。同じ土俵に上がれるよう頑張りたい」。火花を散らす同世代に戦いに早く参戦したい。その思いで「稽古を積んでいきます」と意気込んだ。