日本相撲協会は16日、能登半島地震の被災地支援として勧進大相撲を東京・墨田区の両国国技館で開催し、約7000人を集めた。

入場料収入や来場者からの募金は石川県に全額寄付する。金額は後日に公表予定。この日は幕内取組や横綱照ノ富士の土俵入りの他、OB戦など本場所や巡業と違った企画を実施した。

開場と同時に、関取衆が館内で来場者を出迎えた。大きな被害を受けた石川県穴水町出身の幕内遠藤(追手風)の前には、握手やサインを求める長蛇の列。33歳の人気力士は「石川から来たとか、能登から来たよという声もいただいた。感謝しかない」と言葉に実感を込めた。

23歳の大の里(二所ノ関)は石川県津幡町出身。「祖父がまだ避難所で生活している。本場所で勝つことが、元気を届けることになる」と意気込んだ。富山市出身で元大関の幕内朝乃山は「少しでも力になりたい。そのためにもっと頑張らないといけない」と故郷に思いをはせた。

勧進相撲は寺院や神社などの建立、修繕の寄付を募るために相撲を披露する行事で、江戸時代に盛んに行われた。協会によると、今回は62年ぶりの開催だった。