7月の大相撲名古屋場所で、左膝前十字靱帯(じんたい)断裂などの大けがを負って途中休場した、大関経験者で東前頭12枚目の朝乃山(30=高砂)が、手術に成功し、来年1月の初場所の復帰を目指してリハビリを開始したことが分かった。
7日、都内の高砂部屋で、師匠の高砂親方(43=元関脇朝赤龍)が明かした。手術は名古屋場所千秋楽2日後の7月30日に、都内の病院で行ったといい「今は入院していてリハビリ中。慌てる必要はないので、まずはしっかりリハビリ。年内の復帰は難しい。来年ですね」と、説明した。
朝乃山は右膝を痛めて5月の夏場所を全休した。完治して臨んだ名古屋場所は、初日から3連勝と好調だったが、4日目の一山本戦で、夏場所とは反対の左膝から崩れるようにして押し倒されて敗れた。自力で立ち上がることができず、車いすで土俵を後にし、名古屋市消防局ハイパーレスキュー隊の特殊車両で、同市内の病院に緊急搬送されていた。
特殊車両に乗り込む前には「大丈夫です」と、気丈に話していた。だが「左膝前十字靱帯断裂、左膝内側側副靱帯損傷、左大腿(だいたい)骨骨挫傷で約2カ月間の加療を要する見込み」との診断書を提出し、名古屋場所5日目から休場した。朝乃山にとって、夏場所前の右膝も、名古屋場所の左膝も、初めて痛めた箇所だった。
当初から手術をすれば、半年以上の長期離脱は避けられない見通しだったが、師弟ともに迷わず手術を決断したという。退院後も当面は、通院しながらリハビリを行っていく計画。高砂親方は「具体的なことは退院してから本人と話す。早ければ初場所かもしれないけど、膝の回復次第。焦って出場させるようなことはしない」と、あくまで完治して、万全の状態となってから本場所に復帰させる方針だ。
朝乃山は名古屋場所を3勝2敗10休とし、十両転落が確実な9月の秋場所も全休すると、11月の九州場所は幕下に転落する。その九州場所も全休は確実で、復帰する時期などにもよるが、良くても幕下下位、高い可能性で三段目以下からの再出発となる。21年名古屋場所から6場所の出場停止で、大関から三段目まで番付を下げた経験もあるが、再び試練を迎えることになった。それでも多くの部屋関係者によると、再び幕内土俵に戻ることを目標に、復活への意欲に満ちているという。

