雪辱を期して臨む2連戦から始まる横綱への道-。大相撲夏場所(11日初日、東京・両国国技館)で、初の綱とりに挑む大関大の里(24=二所ノ関)が、優勝した先場所で敗れた2人と初日から連続して対戦することになった。日本相撲協会は9日、両国国技館で取組編成会議を行い、大の里は初日に前頭若元春、2日目に小結高安との対戦が決定。この日は茨城・阿見町の部屋で、2人に共通する左四つ対策を行い、稽古を打ち上げた。当初からカギを握ると想定していた、序盤戦で勢いに乗る決意だ。

   ◇   ◇   ◇

明確な狙いがあった。午前10時10分。当初は青色の締め込みで四股を踏んでいた大の里が、白い稽古まわしに替えて稽古場に戻ってきた。相撲協会が初日、2日目の取組を発表した直後の時間。意を決したように大の里は、187センチ、147キロの若元春と、体格がほぼ同じ三段目藤宗を指名した。最初は立ち合いの圧力から右四つで攻める得意の形。途中からは若元春と高安が得意とする左四つの形で、組み止められた後に反撃した。初日、2日目を想定した稽古を繰り返した。

稽古後、土俵脇でそのまま取材に応じると案の定、すでに対戦相手を把握していた。「先場所、2人には本割で負けている。最初の5日間、乗り越えたら良いものが出てくると思う」。負けず嫌いの性格にスイッチが入っていた。特に高安戦は「まさか先場所、優勝決定戦でやった相手と序盤でやるとは想像していなかった。ビックリ。気持ちをつくっていきたい」と、今場所屈指の好取組だけに、驚きつつも気合が入った。

高安に勝ったのは、先場所の優勝決定戦が3度目で初めてだった。相手得意の左四つで勝ち「右上手を取って、うまく攻められた。だいぶ自信になった。1つの発見」と、6日に打ち明けていた。その日は左四つ得意の、師匠二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)に、右上手を引くなどして8勝2敗。師匠との三番稽古を初めて圧倒していた。10日は朝から相撲協会の公式行事参加のため、左四つの確認も終えたこの日で稽古を打ち上げ。「最初の5日間を大事に集中していけば、体も動いてくるし、星も伸びてくる。しっかり稽古をしてきた」。自信を持って綱とりに挑む。【高田文太】