大相撲の大関経験者で小結の高安(35=田子ノ浦)が、名古屋場所(13日初日、IGアリーナ)前としては初の出稽古で存在感を見せた。7日、愛知・扶桑町の境川部屋に出稽古。同じく出稽古に来ていた豊昇龍、大の里の両横綱が土俵に入る前の関取衆の申し合いで10連勝を飾った。ともに境川部屋の前頭、平戸海と5番、佐田の海と3番、同じく出稽古に来ていた関脇霧島と2番。10連勝したところで大の里が土俵に入り、霧島と相撲を取ったため、関取衆の申し合いは無敗だった。
その後、豊昇龍と2番取って連敗しており、計12番で10勝2敗だった。稽古後、10連勝した手応えを報道陣に問われると「10連勝!? そんなに取っていたんだ」と、誰よりも自身が驚いていた。さらに「今日は動きが良かったですね。スタミナ切れしましたけど。横綱とやる体力が残ってなかったですね、ハッハッハ。35歳ですから」と続け、笑い飛ばした。
もともと大の里が出稽古に来ることは確認していたが、豊昇龍も来たことは意外だったという。その豊昇龍には、本場所ではともに1度の不戦勝と不戦敗を除き、9勝1敗と合口は抜群。この日は体力を消耗した状態での手合わせとあって勝てなかったが「いい稽古ができた」と、手応えを口にした。
10連勝の間は、さまざまな立ち合いをためしつつ、霧島、平戸海の豊富な運動量にも即座に対応した。持病の腰痛の影響を、まるで感じさせない動きを披露。「暑い季節の方が腰の状態が良いのか」と問われると「どうなんですかね。結局、エアコンのきいた部屋にいたら一緒ですからね」と話し、報道陣を笑わせるなど、口も滑らかだった。
先場所は東小結で6勝9敗だったが、番付は西へと半枚下げただけにとどまった。小結で6勝ながら、翌場所も小結を務めるのは、1場所15日制が定着した1949年(昭24)夏場所以降では初。先場所は東前頭筆頭から西前頭5枚目までの10人が全員、負け越していたために起きた珍事となった。再び三役として臨むことには「ありがたいですね。落ちると思っていたので」と感謝。常々、目標に掲げている大関復帰の起点となる、三役での2桁白星のチャンスが継続されることになった。
好調ぶりを披露しても「調子に乗ってやらないようにします。場所で力が出ないと。稽古で強くても、場所で勝てないと意味ないので」と、自らに言い聞かせるように話した。これまでも場所前に絶好調でも、本場所中に腰痛を再発することがあっただけに、コンディションづくりには細心の注意を払うつもりだ。
名古屋名物のウナギも「ちゃんこ長がさばいてくれて、白焼き、かば焼きを」と、舌鼓を打ちつつ、スタミナ強化を目指している。今後の出稽古も「体力次第ですね」と、焦らず、マイペースで調整していくつもりだ。

