大関経験者で西十両13枚目の朝乃山(31=高砂)が、激しい攻めで12勝目を挙げた。母校近大の後輩にあたる、西十両4枚目の三田との初顔合わせを押し出して制した。立ち合いから激しい突き、押しの応酬。相手に左腕をたぐられ、バランスを崩しかけたが持ち直して逆襲し、まわしにこだわらずに休まず攻めて、土俵外に追いやった。
これで3敗を守り、2番後に取組を行った、同部屋の弟弟子で2敗の新十両朝白龍と、3敗の十両錦富士の結果を待った。朝白龍が勝ったため、優勝の可能性が消滅。朝白龍が敗れていれば、錦富士を含めた3敗3人による優勝決定ともえ戦となっていた。
取組後は「(朝)白龍が、しっかり勝ってくれてうれしかった。同じ部屋なので、うれしいけど、もちろん悔しい気持ちもある」と、23年初場所以来、2度目の十両優勝がかなわなかった複雑な心中を明かした。朝白龍が敗れていれば、優勝決定ともえ戦に突入しており、その場合は、本割の1番に加え、最低でも2倍、計3番以上は取ることになっていた。朝乃山は「1番でも3番でも5番でも取る気持ちでいた」と、気力は充実していた。ただ、左膝の大けがで長期離脱し、三段目から再起して4場所目。「膝のことを考えたら、1番で終わったのはよかったかも」と、冗談めかしながら、かつて自身の付け人を務めていた朝白龍を祝福した。
今場所は2日目に新十両の西ノ龍に敗れ、3日目には風賢央に押し込まれて土俵際でかわして辛勝と、苦しい序盤戦となった。それだけに「8番か9番しか勝てないかと思った」と、当時の内心を明かした。だが「日に日に相撲も良くなってきて、12番勝てたのは充実感がある。いいところと悪いところが出た場所だった。感覚も戻ってきたので、悪いところを修正して、次の九州場所(11月9日初日、福岡国際センター)に臨みたい」と、来年初場所の幕内復帰を目指す来場所への、意気込みを語り、笑顔で引き揚げた。

