NMB48の木下春奈(18)が21日、大阪・NMB48劇場のチームB2「逆上がり」公演で卒業公演を行い、涙を流してあいさつした。

 「アイドルらしく振る舞うのが苦手やって、そんな私を応援して、支えてくれて、NMB48と、ファンの人には感謝しかない。私のファンは私に甘いから」

 感謝の言葉を並べるうち、みるみる目から涙があふれ出した。

 木下春は10年秋の創設メンバーで、小学6年の最年少で加入。大人びたルックスとトークの進行にもたけ、ダンス選抜の昨秋シングル「Must be now」にも入るなど、パフォーマンスにも優れていた。一方でアイドルとしての振るまいが苦手だと自覚し、本人も苦しんでいた。それゆえの涙だった。

 「小6で入って、高3までいて。18年の人生のうち6年間、NMB48にいて、人生の記憶のほとんどがNMB48での活動。正直、NMB48がなくなったらどうなるか、不安はありますけど、高校卒業のタイミングで(卒業が)よかったかなって思います」

 創設メンバーでは最年少だったため、自らも「一番わがまま言って、甘やかされた」との自覚もある。その一方で、お笑い文化の大阪に「アイドル文化は根付かない」と言われながら、地道な活動を続けてきた1期生ならではのプライドも強い。「本当につらい時期を、小学生からやってきて、乗り越えてきたことは、自分でもよくやったなと思います」とも語った。

 この日は最後のあいさつの後にラストの楽曲へ。締めのナンバーに選んだのは、草創期のオリジナル曲「なんでやねん、アイドル」。年少組のOG門脇佳奈子と、木下春の謎かけで始まるNMB48の名物曲を、B2メンバーで披露した。

 「かなこを呼びたかったけど、仕事でこれないって」と笑わせながら、最後は薮下柊(17)とのコンビで謎かけ。野球ファンコンビだけに「木下春奈とときまして、阪神の福原忍ととく」「その心は…卒業しま~す」と、現役引退した猛虎戦士をネタにして、ファンから拍手を浴びていた。

 NMB48では今年に入って、1月に近藤里奈、2月に小谷里歩(現・三秋里歩)、8月に渡辺美優紀、今月15日には岸野里香が卒業。既に上西恵と、AKB48に移籍した小笠原茉由も卒業を発表しており、6年前に26人でスタートした1期生のうち活動を継続するのは7人となる。