今年のAKB48グループ選抜総選挙で「結婚宣言」をしたNMB48の“風雲児”須藤凜々花(20)が、30日、大阪・NMB48劇場で卒業公演を行い、アイドル生活に終止符を打った。

 最後まで涙はなし。笑顔で「NMBと出会って、別れられて、二重にすてきだなって。最後まで一緒にいてくれてほんとにありがとう。これからは友達になってください」。結婚という衝撃発言を経ても、なお応援を続けてくれたファンに感謝した。

 「これからすごい姿を見せながら、夢を追い続けられるよう頑張ります」と、芸能活動を継続しつつ、大学進学やドイツ留学など、哲学者としての夢を実現させると約束した。

 客席からも「愛してるよ」との声が飛び交い、キャプテン山本彩(24)も「最高の最後の言葉だな」と感動を素直に口にした。

 最後まで頑固で、異端児の須藤らしかった。総選挙のステージで口にした「結婚」という衝撃の言葉。その後については触れることなく、ファンも須藤の思いをくんで求めることもなく、一体となってアイドル最後の日を迎えた。

 卒業記念の盾には「NMB48に大きな風穴をあけてくれた」「風雲児でした」などとの言葉が並べられていた。

 須藤は13年11月のドラフト1期生で、3チーム競合の末、山本彩(24)がキャプテンのチームNに引き当てられ、NMB48入り。哲学やマージャン、アイドルとはかけ離れた趣味を持ち、個性派キャラクターとしてブレーク。ひょうひょうとしながらも、毒のある言葉をはいたり、突拍子もない衝撃発言が特長的で「NMBの秘密兵器」と期待された。

 15年3月の「Don’t look back!」で初選抜入りを果たすと、次作シングルだった「ドリアン少年」で初センターに抜てき。ドラフト出身メンバーでも初のセンターだった。翌16年の選抜総選挙で初ランクインし、44位。そのスピーチで、母のがんを告白して話題を呼んだ。そして今年の総選挙、大きく順位をあげて20位に入ったが、結婚宣言をして、話題をさらった。

 須藤は、今後も芸能活動を継続することを固めており、レギュラー出演する読売テレビ「大阪ほんわかテレビ」(金曜午後7時)や、ラジオについては卒業後も継続する。

 最後のあいさつを終えた後、須藤はステージに単身、残り、最後の言葉は「明日、渋谷で待ってるぜ!」。31日に東京・渋谷で予定されるラジオの公開生放送で、タレントとしての第1歩を踏み出す。